寂々兵

アリスまたは最後の家出の寂々兵のレビュー・感想・評価

アリスまたは最後の家出(1977年製作の映画)
3.9
亭主に嫌気がさして家を飛び出したアリスだったが、車の運転中フロントガラスが破損し、急遽飛び込んだ邸宅で怪しげなオッサンに歓迎されました。というのっけから不穏でございと言わんばかりのシャブロル流アラン・ロブ=グリエ的白昼夢。当然アリスはこの邸宅から出ることはできないのでアリスというよりもカフカ的。冒頭のフロントガラスの異様な割れ方に始まり、カタツムリ、大量の鳥の死骸、奇妙なパーティーと生理的嫌悪の大洪水。そしてとりあえず全裸になるシルヴィア・クリステル。大久保清朗氏によれば色んな社会問題を孕んでいるらしい。傑作。
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