ヨウタ

バンコクナイツのヨウタのレビュー・感想・評価

バンコクナイツ(2016年製作の映画)
4.1
ようやく観れた!
ソフト化をしない事で有名な空族の最新作バンコクナイツ 。
彦根のダンスホール紅花にて。

空族の作品は、描かれたシナリオだけれど、3時間ほどに及ぶ長編ドキュメンタリー的要素もあり、ある種描かれたドラマよりもドラマがある。事実は小説より奇なり、といったところもある。
常に、社会の隠された部分に根付いたファクトにフィーチャーしているのが真核にある。今回は、タイの風俗、売春、ドラッグ、戦争の傷跡、マイノリティ民族、若者の出稼ぎ問題である。また前作と変わって今作舞台をアジア・タイにしているところも面白い。
空族は、他の追随を許さないオリジナリティとストイックさに秀でた唯一のクリエイト集団だと思う。
ただ、毎度思うがキャストはみんな役者なのか?それとも現地で雇った素人なのか?いい意味で素人のリアルな会話があり自分は好きだ。

舞台は、バンコクの日本人向け歓楽街タニヤで繰り広げられる。
そこには、多くの日本人 社長・金持ちやそうでない観光客、またタイの可愛い子ちゃん目当てのオタクみたいな人種の人たちが、タイの女の子を買いに来る。
タイ人からすれば、彼らは金ヅルであり日本人からすれば安く女の子が変えて安くドラッグがやれて人目につかない楽園である。

田我流の言葉、自分の故郷 山梨一宮と被せて言った。
「桃源郷。そこは楽園だが、一度抜け出せば二度とは戻れぬ場所。」 はまさにタイとリンクしていたし。
作中でstillichimiya のメンバーが随所に登場してたが、一宮の現状とタイの田舎(イサーン地方)から都会(バンコク)へ出稼ぎに若い奴らはみんな出ていってしまう。田舎にも良いものは残されているのに、今のおじい・おばあの世代がいなくなれば、またジャングルに戻るだけだ。これは、タイのイサーン地方と山梨の一宮をトレースして、若者やローカルの現状をうまく捉えていたな!
というか、stillichimiya がなんてローカルをレップしてるアツイグループなんだって再確認した。

作中を通していたが、
国籍問わず色々な人がタイにはいて、タイ語、イサーン語、英語、日本語が飛び交っているのはまさにアジアって感じで面白かったし、イサーン語の字幕が甲州弁なのも凄い面白かった笑笑

なによりyoung-gとsoi48 監修の音楽は 満点すぎるほどかっこよかった!!!ってこと。

他の空族作品も観たい!!
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