バンコクナイツの作品情報・感想・評価

バンコクナイツ2016年製作の映画)

上映日:2017年02月25日

製作国:

上映時間:182分

3.7

あらすじ

タイの首都、バンコク。日本人専門の歓楽街タニヤ通りの人気店、「人魚」でNO.1 のラックは、イサーン(東北地方)からバンコクへ出稼ぎに出て5年が経った。日本人のヒモ、ビンを連れまわし高級マンションでダイヤの首輪の犬と暮らす一方、ラックの支える大家族は、遥かラオスとの国境を流れる雄大なメコン川のほとり、ノンカーイ県に暮らしていた。ラックは種違いの弟を溺愛している。確執が絶えない実母と、今は亡きアメ…

タイの首都、バンコク。日本人専門の歓楽街タニヤ通りの人気店、「人魚」でNO.1 のラックは、イサーン(東北地方)からバンコクへ出稼ぎに出て5年が経った。日本人のヒモ、ビンを連れまわし高級マンションでダイヤの首輪の犬と暮らす一方、ラックの支える大家族は、遥かラオスとの国境を流れる雄大なメコン川のほとり、ノンカーイ県に暮らしていた。ラックは種違いの弟を溺愛している。確執が絶えない実母と、今は亡きアメリカ軍人だった2番目の父との息子、ジミー。ある晩、謎の裏パーティーで、ラックは昔の恋人オザワと5年ぶりに再会する。ノンカーイから出て来たてだったラックの初めての恋人がオザワだった。元自衛隊員のオザワは、日本を捨てバンコクで根無し草のように暮らしていた。戸惑うふたり。今のオザワはネトゲ(・・・)で小銭を稼ぐ沈没組。だがラックに会うには金がいる。そんな折、オザワはかつての上官、現在バンコクで店を営む富岡に、ラオスでの不動産調査を依頼される―。 かくして、いくつもの想いを胸に秘めたラックとオザワは、バンコクを逃れるように、国境へと、ノンカーイへと向かうことになったが…。

「バンコクナイツ」に投稿された感想・評価

ngsm

ngsmの感想・評価

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「サウダーヂ」も観る予定があるので、それ見終わってから感想書きたい

「サウダーヂ」鑑賞後

どちらの作品でも、登場人物が過ごす生活は、彼らが自分たちの努力だけ(あるいは怠惰)で手に入れられたものではなくて、いかんともしがたいシステムや歴史によって、規定されてしまった部分があるということが描かれていると感じました。
象煮

象煮の感想・評価

4.5

このレビューはネタバレを含みます

帰る場所を持たない男と故郷を捨てることができない女の物語。
時々演技の態とらしさが気になるところもあったがすぐに忘れる。夜の街の美しさ、トゥクトゥクやバイクに乗っての横移動がとてもよい。特に明け方クラブからバイクで村へ帰るシーン。
出てくる日本の男達が総じてしょうもないので、女が男を殴るシーンに容赦がなく清々しい。
メイドプレイで主人公が客から出された皿の蓋を開けたら大人のおもちゃが入っていて、ため息をつくシーンは笑った。後、最初「人魚」のひな壇に座っていた絶妙なブス加減(あくまで演出の話)の女の子が、後半お金を持っていなさそうな客が増えてタニヤ通りの景気が悪くなってきたのかと思わせるシーンではいなくなっていたところもじわじわくる。
ノーマニー、ノーライフなラックと、ノンカーイに住みたいと言うオザワの想いが交差し、そのまますれ違って迎えた一つの終着点。使われることのない銃を思ってただただ泣いたし観終わった後どうしようもなく哀しくて寂しくて愛しかった。最高。
たいじ

たいじの感想・評価

4.4
爆音映画祭にて鑑賞。
冒頭、トゥクトゥクのエンジン音で会話がほぼ聞き取れないなど、現場にいるかのような土臭いリアリティに引き込まれる。

バンコクの観光収入の中心にある性風俗の光と闇を見事に描写していた。救いの無さはジョージ秋山的。

ヒロインの田舎に帰省したシーンでの字幕が山梨弁で進む演出はとても上手い。
ストーリーやら演技力に目を瞑ればとても良い作品。レンタルされてないのに、もう一回観たいと思わせる力がある作品だった。
2017年12月23日、新宿K’sシネマにて鑑賞。

バンコクの街を見下ろしながら「バンコク、Shit!」と吐き捨てる女性の姿から始まるが、この女性こそ、この映画の主役であり、バンコクの歓楽街にある風俗店「人魚」No.1のラックであった。
ラックは、イサーン地方の出身で、実家にはヤク中の母親、弟たち家族がおり、ラックの稼ぎの仕送りで家族は生活している。
そんな折、ラックは5年前に別れた恋人オザワと再会して、二人の時間が始まるのだが…
…といった展開であるが、こうした物語と絡みあう形で「バンコクに行った日本人の女性を買う(しかも十代を買う男すら居る)という日本男性の恥とも言える行為」、「ベトナム戦争の時に爆撃された場所」(これは音も凄かった!)、「日本に居場所が無い男達が集まる姿」、そして「金のために身体を売るバンコク女性達」などなど多くの事が描かれる。

3時間超の上映時間があるが、バンコクのことをもっと知っていれば楽しめた気がした。

確かに、道路を走るタクシーを横から追いかけるカメラが上手かったり、あちらこちらで流れる(または演奏される)音楽が良かったりした。

<映倫No.表示されず>
熱海秘宝館ザ・ムービー的なやつかなと思ってたら、まあそういう要素もあるにはあったけど気づけば文化や民俗、言語、生活、性産業、ビジネス、音楽なんかがすごい網目で描かれていて、フィクションの領域超えてもうその生活の中から物語が生まれてゆく瞬間を目撃するようだった。

カメラはどこか素っ気なかったり、演技も淡々としているのに、とにかく生命力を感じさせるのはその土地その人々の持つ力そのまま滲み出ているからだろうと思う。
(淡々とした演技……というか、ちょっと棒読み気味のアフレコ台詞なのだけれど、タイの人たちのカタコトの日本語を聞いていると気にならなくなる)

まるで贅沢なドキュメンタリーを見ているような気分にさせられる作品。
「ロケーション」に「役者」を配置して、外側から「物語」を与えられたような印象はもたない。役者だけでなく脚本家監督ら全員がその空間・生活に馴染んで、その社会の内側から出来事を捉えているような。長い映画観てるとだんだん思考力奪われて映画の中に溶けてしまうのですぐ感動してしまう。そういうところもあるとは思う。
エンドロールの感極まった役者たち、謎のノリで不思議な充実感を得た

他にも好きなところは沢山ある。
音楽は最高だし踊れる。
タイの方言、イサーン語の字幕が訛ってるのが可笑しかった。
タイの女の子たちが「ヘンヘンナ!」って言ってるのが可愛い。英語だと"Good luck!"みたいなニュアンスなのかな。ヘンヘンナ。語感がいい。
何気ない場面が大好きだ。火のつきが悪くなったライターばかりテーブルに散乱していて、いざ使おうにもなかなか使えるライター見つからないだとか。
おそらく世界の中で本監督しか撮れないユニークな作品です。アジアの国の人々と日本人の現代的関係性。その実態を見事に捉えています。結局、生きるとは何であろうかという堂々巡りになるのですが。
ほし

ほしの感想・評価

2.5
弛緩に始めは怒りさえ覚えるが次第にどうでも良くなる(許容に非ず)。夜景が綺麗。バイクが走る。空爆跡地へ赴く。しかしその先に何も見えないのだ。自慰にほかならぬエンドクレジットに辿り着いた頃には関心も吹き飛ぶ。
余談。川瀬のアフレコスキルが異常に高い。
よくわからんが何だか凄い。
驚くほどバンコクは変わらない
バンコクを舞台に出稼ぎ労働者のリアルというお馴染みのテーマを描く空族の新作。
オザワの「射殺」は、サウダーヂの田我流が演じたラストシーンにも通じる、静かな怒りと反抗が込められたいいシーンだった。
劇中で多用される美しい夕暮れや月は楽園そのものだった。
やはりファーストカットから始まっていた。人国歴史への一撃。
オザワ「俺わかったから」にぐっとくる。
画面に溢れる怒りの鉄拳百連打。
イサーンのドローンカットと空爆音にしびれる。
甲州弁もキク。
キャスティングでイク。
アフレコ演出はうまいが好みの話でそこが乗りきれなかった要因かもしれない。
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