ショートタームの監督とブリーラーソンが再タッグ。
今回は父と娘の赦しの物語だった。
自由奔放で酒浸りでお金にもだらしない父親。
成功している今の私には恥でしかなかった。
でもその最低な父親が教えてくれた大切なことを思い出していく丁寧なストーリーがとても良かった。
この作品を観ると
物質的に満たされても心が満たされないのは何故なのか分かる。
心が幸せだと感じる瞬間はお金では買えない。
成功した娘の顔を見て
「今幸せなのか?」と聞く父親。
娘は「成功してるし、もちろん幸せ。」と答えるが
瞳の中には純粋に笑っていられたころの幸せは消え去っていた。
どんなに最低でも許せなくても
今の私があるのは最低な父親のおかげなのかもしれない。
彼女がそうして全てを赦し、受け入れた時に
本当の幸せが心を包む。
他の誰かの価値観ではなく、自分の価値観で生きることが真実の幸せへの唯一の道。
その道を進むにはとても勇気がいるけれど、他人の幸せのために生きていては
なんのために生まれたのか分からない。
父の日にぴったりの作品でした。
心がぎゅっと抱きしめられて、幸せに包まれるラストは
ショートタームを観た時と同じ。
人間って最高なときも、最低なときも含めて
素晴らしい生き物だなってしみじみ感じる温かい作品でした。
ウディ・ハレルソンがますます好きになる!