【やっぱり、セルルック苦手なのかな?】
面白かったですが、個人的にはもう一押し欲しい作品でした。
SFが好きな方は普通に楽しめると思います。
日本の3Dアニメーション、特に完全にセルルック(セル画っぽい3Dアニメ)の作品を観たのは本当に久しぶり。
ディズニーっぽい作品が増えてきている3Dアニメの業界でも、ポリゴン・ピクチュアズの作品は日本ならではの路線を貫いている感じですね。
映像のクオリティは高く、独特の存在感を醸し出している作品だと思います。
本当に日本のアニメって背景が綺麗だよな〜😲
今作は、弐瓶勉さんという、SF漫画の世界ではかなり有名な方が原作を担当しています。
「機械に支配された近未来で生きる人類」という、SFでは『ターミネーター』をはじめ、何度も扱われてきた設定にもかかわらず、なぜかあまり既視感を感じない世界観でしたね。
「電基漁師」っていう単語、すごく好きです。
あと、水に触れるとパンになるレンガみたいなやつも面白かった。
ただ、映像と舞台設定で世界観を魅力的に表現しているにもかかわらず、キャラクターとストーリーがあまりにスッキリし過ぎているというか、物足りなさを感じてしまいました。
キャラクターに感情があまり籠ってないように感じることは、私がセルルックの作品を観ている時にたまにあるんですけど、やはり今回も作品全体を通して表情の変化が少し乏しいように思えました。
ダークな世界観で、色んな意味で機械的なキャラが多い、なども理由かもしれませんね。
私が手書きのアニメばっか観て育ってきた所為か、どれだけセル画っぽく見せても、セルルックはどうしてもフィギュアっぽさが消えないことがあります。
同じセルルックでも、カップヌードルのCMでお馴染み『FREEDOM
PROJECT』なんかは、もっとキャラクターが生き生きとしていたんだけどな〜。
結局、物語も主人公達の視点でしか完結しておらず、作品の世界を取り巻く状況は映画を通してほとんど変わってないのも、物足りなさを感じた理由の一つかもしれません。
原作で続きが描かれているなら、是非読みたいです。
日本でもこれほどハイクオリティな3Dアニメーションが作れるようになったことに少し感動しました。
セルルックという映像表現も、効率を求める日本のアニメ産業の中で徐々に浸透していき、今では多くの作品で使われるようになりましたが、まだまだ改善の余地と、奥深さを秘めているように思います。