Kirisshy88

BLAME!(ブラム)のKirisshy88のレビュー・感想・評価

BLAME!(ブラム)(2017年製作の映画)
2.9
ネオ・サイバーパンクの劇場アニメ
CGによる壮大な地下大都市と各アクションの描写が良い。またSFとしての設定と世界観も良い。しかしシナリオの展開が今一つ物足りない。その理由の一つは、支配側の作戦司令体や巧妙な権謀述や戦略などが省略されすぎているというプロットの問題、もう一つの理由は劇スタイル面についてで、戦闘シーンが多いため本来は群像劇の方が良いように思うが、ウルトラマンや仮面ライダーのような強大なヒーロー一人(と武器)で敵の殆どがあっさり片付いてしまう古いスタイルである点、第三に『ターミネーター』のような非常に遅くて古い電脳スキャニングが頻繁に使用されており、各シーンを間延びさせていることによるものだろう。『ターミネーター』へのオマージュを押井守風に描きたかった作品なのかもしれないが・・・とにかく劇場版はヒーロー物なのか群像劇なのかが非常に半端に感じられた。

結論も宙づりで露骨に「2」をつくる商業的配慮が見えてしまう。

生存競争の極地である戦闘シーンにしても実写&CGの『トモロウ・ワールド』『プライベート・ライアン』のような群像的な緊張感に、この監督のアニメはまだ及んでいないので頑張ってほしい。
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