Denkishino

BLAME!(ブラム)のDenkishinoのレビュー・感想・評価

BLAME!(ブラム)(2017年製作の映画)
3.0
ううーん、原作大好きで、何度も読み返しているんですが…広さとカオス感が足りない…!

かつて繁栄した世界は、ネット端末遺伝子という遺伝子をもつ人間のみがネットに正規アクセスでき、制御できました。
その遺伝子をもつ人類はいつしか居なくなり、繁栄した世界の残骸ばかり。残された建設者と呼ばれる機械によって、建物が乱立、拡張され、膨張しつづける世界で、人は隠れながら短い生を生きる。

映画は漫画の一部からの抜粋ですが、漫画のほうはあまり人間が出てこない。セリフもきわめて少ない。広大な広大な世界を主人公の霧亥が歩いて、歩いて、歩いて…という漫画。これが堪らなく良いんです。こんな賑やかじゃないんです。たまにの戦闘もカッコよくて、でも私はあの広大な、ものすごく広い空気感がとても大好きで。

いや、でもわかります、そんなもん映画になりませんよね笑
歩いて歩いて、ちらっと戦闘とか、まぁロードオブザリングもそんなとこありますけど。
人間もおらず、居たと思ったらクローンばかり生み出し続ける機械だったり、USBに入れられた人格と長く旅したり、ひと段落して2244096時間(約256年)経ちましたとか、螺旋階段の出口が3000キロ先とか。劇場版でも、シボは2000年近く待ってたみたいですが。
そんなんばかりじゃ映画にはなりませんものねぇ。

映画としては、映像もよく出来ていてストーリーもまとまり観やすいものでした。少々とっつきづらい世界観を、わかりやすいものにしてあるのは商業的にも仕方ありません。そもそも原作に忠実にしてはほぼ意味不明になります。こちらのほうが単純に楽しめますしね。
でも、いや、これは映画の評価ではないのですが、でももっとサバサバした空気感であって欲しかったと。終盤出てくるめちゃくちゃ強い上位セーフガードのサナカンという女の子。もっと機械機械してて、刺々していて欲しかったと。顔が可愛すぎるんですよ…!あんなお目々大きくて、可愛らしい目じゃないんです。

昔の短編アニメ、ストーリーはアレですが雰囲気は良かったんです。でもあれじゃ意味わからんしなぁ…。難しいですねぇ。
兎にも角にも、映画化は嬉しかったです。
Denkishino

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