TS

妖怪百物語のTSのレビュー・感想・評価

妖怪百物語(1968年製作の映画)
1.6
【妖怪の存在意義】
ーーーーーーーー
監督:安田公義
製作国:日本
ジャンル:時代劇
収録時間:79分
ーーーーーーーー
なるほど。『妖怪大戦争』より先にこちらをみるべきでしたね。いわゆる勧善懲悪物であり、調子に乗ってる富裕層を妖怪が懲らしめてしまうというシンプルな設定。ところで妖怪とは何だ?とふと思ってしまいました。しばしば妖怪は悪役として登場しますが、面白いことに冷静に考えたら正義の味方の場合が多いことに気づかされます。

そのおどろおどろしい容姿は見るものに恐怖を与えますが、「悪いことをしてると妖怪に食べられるぞ」という口文句からもわかる通り、悪を懲らしめる存在であるということに気づかされます。これは僕の個人的な解釈ですが、妖怪とは道徳の権化みたいな存在だと思ってます。誰だって子どもの時に、道徳的にいけないことをしてしまうかもしれません。そういう時に妖怪という恐怖の存在を教え込むことにより道徳性を正そうとするのです。いわゆる「必要悪」のような気もしますが、民間伝承の中で妖怪とはこのような存在意義を持っていたのではないかと推測できます。

今作は、『妖怪大戦争』にも出てくる妖怪がたくさん出てきます。油すましや轆轤首などです。百物語と言われるように、たくさんの妖怪が出てくるので面白いです。妖怪の教科書的映画と言われるのも頷けます。「怖い」という感情はあまり抱けないですが、妖怪好きからするとワクワクするのではないでしょうか?
ただ、流石に今作の目玉妖怪と思われる「大首」は子どもが見ると相当のトラウマかと思われますが。。僕もこの笑い声と顔は子どもの時に予告編を見ましたが割とトラウマでした。

このように、轆轤首や泥田坊など、言えば大体の日本人は理解できるというこの共通の大衆文化は評価すべきことだと思います。妖怪は日本が誇る伝承文化と言えるでしょうね。文章とスコアが一致していない気もしますが気にしない。。『妖怪大戦争』と同じく、不満はないもののスコアはこれくらいかなあ、といったくらいなので。

にしても大映の特撮、気に入りました。僕は『大魔神』を一番みたいのですが中々店舗にない模様。根気よく探していきたいと思います。

ちなみに女性がよくする「化粧」とは元々お化けや妖怪を表す「化生」から派生したものだそうです。つまり、、化粧をするということは妖怪に化けてしまうということだそうで。。いやはや語源はおそろしや。。
TS

TS