イチロヲ

スーパー・アブノーマル/究極の官能(エクスタシー)のイチロヲのレビュー・感想・評価

3.0
性の探求に生き甲斐を見いだした4人組の女性たちが、エロスとタナトスの表裏性を実体験していく。性衝動に翻弄される人間の破綻ぶりを描いている、フランス産のハードコア・ポルノ。

アフリカ大統領と行きずりの関係をもつCA、客人との性接待に興じるホテルメイド、プロデューサーとの枕営業に勤しむ歌手が、求道者となる女性からの啓示を受ける。主人公4人組のうち生き残りとなる1人が、過去の出来事を回顧していくスタイルとなっている。

4人組がコミュニティを形成すると、マネキンとの交合、バナナをペニスに見立てたレズ・プレイ、乱交パーティなどが展開される。とりわけ、スリムな4人が輪になった状態でのシックスナインは、そのまま彫刻にしたいほどの芸術性が備わっている。

「快楽を追求する行為は、自分自身を死の淵に追いやる行為と同じである」という、バタイユのエロティシズム論を根底にしている作品。「女性の自由意志の尊重」という、ウーマンリブの観点からも、興味深く鑑賞することができる。
イチロヲ

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