ピンフまんがん

ちょっと今から仕事やめてくるのピンフまんがんのレビュー・感想・評価

3.7
この映画は正直、本人の社会環境や経験によって評価が変わりそうですね。少なくともここのテーマである「ブラック企業」を経験した事のない人は微妙に映るでしょう。個人的には、製作者が企業の実態をよく研究されていた節が感じられました。主人公の物も言えず気弱で弱腰の、上司に怒られやすいタイプの社員像と、部長の激ヅメする時の胸糞悪さと、この二人はいい演技をしていたと思います。
ただ終盤はややしり切れトンボで、失速してしまった印象がありました。ラストのショーシャンクっぽい演出とはやりすぎたなぁ。しかし、途中、ヤマモトのことを「幽霊」と例えたのは良かった。追い込まれた人って、つい現実と空想を考えてしまうもので、お化けなんかより現実の方が怖いって考えてしまうものです。わかりづらいようですが、あれは実はいい演出だと思います。でも発注書ミスはすぐに(カラクリが)わかるねぇ。パソコンにパスワードくらい入れておけよ(;´・ω・)

さて、今はブラック企業という言葉もすっかり市民権を得てお茶の間に知れ渡りましたが、申し訳ないけど、実態はこんな甘いものではありません。この映画は、まだまだ序の口です。しかも一部上場企業でもこんなこと普通にありますよ。実態はなかなか報道されない為、実際に体験したことがない限りはまだまだ理解されていないのはちょっと悲しいです。