FumiyaIwashina

ちょっと今から仕事やめてくるのFumiyaIwashinaのレビュー・感想・評価

4.1
同年代の自分にとってはとても共感できて、泣ける映画。
初めは爽やかな工藤阿須加がうつのような役柄を演じていることに違和感を感じていたが、吉田鋼太郎の演技がやけにリアルで、職場で罵倒されたり、秒針の音に気がおかしくなるシーンはもはやホラー級。福士蒼汰の関西弁にも始めは違和感があったが、山本も過去には様々なことがあり、その上で明るく振る舞うというギャップにじわっとくる。
バヌアツの光景もとても魅力的で、日本との対比も見事。こんな会社あるわけないと感じられたり、親のありがたさが全くわからない方が幸せなのだろうけど、もしそうじゃなくても、自分の心ひとつで世界は広がるんだと気づかされる。逃げ道だって、やはり大事だなと思う。
作中には共感できる素敵な言葉も多くあった。「希望はなくならないよ。見えなくなってしまうだけなんだ。」「お前の人生はお前とお前を大切に思ってる人のためや。」「人生なんて生きてさえいれば、案外なんとでもなる」
行き詰まった時に、ポンと背中を押してくれるのが親なら、反対に押し留めてくれるのも親だと思う。実家のシーンは本当に涙が止まらなかった。