Shintaro

五日物語 3つの王国と3人の女のShintaroのレビュー・感想・評価

4.4
素晴らしい映画。

そもそも自分が、ダークサイドなおとぎ話が好物なので、その時点で評価が補正されてる。
でも間違いなくオススメ出来るのは、ギレルモとかピージャクの感覚が好きなヤツは、見てからじゃないと死ねないと思う。

予告は凄く完結でいい出来。公開が去年の11月くらいだったけど、マジであっという間に終わってて、見る隙が全然なかったのには泣いた。DVD待ちはしていたけど、絶対映画館で観とけば良かったと後悔しましたね。

おはなしは、正に『おとぎ話のおとぎ話』『tale of tales』そのままに、アンデルセンやグリム兄弟に代表されるおとぎ話の素材となった、もしくはそれに似た原型となる物語。
3つの隣接する国で起こる3つの物語が同時進行していきます。
それぞれの話が美しい狂気を孕んでおり、目が離せません。
ヴィジュアルの作り込みが半端ないので世界観はどんどん広がっていきます。

狂おしいまでの“女の性” と言われるほど、女性の願望と欲望が渦巻き官能的な緊張感をもって襲ってきます。
個人的には、3つ目の 『夢見る少女』(題 適当です)が一番好き。
ヒロインが処女性を失って 良くも悪くも“女王"になる過程が怖い…。

総じて、“あぁ、 人間だなぁ” と達観視してしまいそうになる程、人の度し難さが浮き彫りになります。
『まどマギ』にも共通する 絶望と希望、子供から大人へ のお話でどストライクでしかないです。

最後のカットは本当に泣かせます。
町山さんとかヨシキさんに是非解説して頂きたい作品でした!
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