バルバワ

斉木楠雄のѰ難のバルバワのレビュー・感想・評価

斉木楠雄のѰ難(2017年製作の映画)
1.0
原作漫画はかなり好きなので多少は楽しめるような気がしたし、嫁が一緒に観ようと誘ってきたのでDVDで鑑賞致しました。

いやぁ…いやいや…いやいや嫌…嫌嫌いや…嫌いやぁ!この作品が嫌いやぁ!!!

ここからは心の狭いバルバワの呪詛が羅列しますので悪しからずm(__)m

あらすじは主人公の斉木楠雄は超能力を有してる高校生。彼は生まれ持った超絶な能力を様々な方法で駆使して自分を普通に装い平穏に暮らそうとしていた…しかし、濃すぎるクラスメイト達が様々な災難を彼にもたらしてくる。果たして彼は平穏な日常を謳歌することができるのだろうか!?…的な感じです。

まず良かった点はビジュアルは原作に忠実(校長以外は)でした。特に主人公を斉木楠雄を演じた山崎賢人さんは結構はまり役でした。あと話の焦点を学園祭に定めたのは不自然なくキャラクター一人一人を活躍させやすいので非常に良いと思いました。

しかし前述した良かった点を打ち消してむしろ欠点に感じさせてしまうほどに今作は欠点だらけのように感じます。

なんだろうなぁ…多分今作の作り手は原作漫画のことどうでもいいんじゃないですかね。だってメインキャラクターの"海藤(かいどう)"を"かいとう"変えちゃうんですもん。どうやらお年寄りやお子様が同じくメインキャラクターの"燃堂(ねんどう)"と混同するから変えたようなのですが、ナメてるでしょ。客ナメないでくれます?

あとキャラクター設定もナメてて、私が特にイラついたのは照橋心美という絶世の美少女キャラクターの美貌を前にするとほとんどの人間が「おっふ」と口走ってしまう設定です。


まあね!私もね!大人ですから?!皆あんまり彼女を見ても「おっふ」しなかったり、「おっふ」したとしても頬を赤らめたり、うっとりした表情も見せず真顔なのも1億歩譲って許容しますよ!
ただ!照橋心美のファンクラブ(ここみんズ)が彼女を目の前にしても誰一人「おっふ」しないのはおかしいだろ!照橋さん及び演者の橋本環奈の美少女っぷりナメてんじゃねぇぞ!

あと笑いの取り方も非常にナメてて、その笑いの取り方ってのが主に変顔とおちゃらけ演技。もちろん原作漫画はギャグ漫画なので変顔もオーバーリアクションなシーンもたくさんあります。ただ、それをそのまま映画にすると非常に寒い。要は漫画的な表現と映画的な表現は全く別物ということを分かってないんでしょうね、この監督は。

あとはテンポが悪い。原作の肝はテンポの良いボケとツッコミにあります(因みにアニメはその肝をきちんと踏まえていたテンポ感でした。)。今作は校長を演じた佐藤二朗さんの演技を観たらよくわかるように非常にねっとりとしつこい笑いです。これはそもそも監督と原作漫画のギャグの資質が合わないからではないのでしょうか。

私は実写映画は原作と違っても良いと思っています。だから登場人物の一人称が違っても、喋らないことが肝の主人公がべらべら喋っても許容できます。そこに作り手なりの原作へのリスペクトがあれば。


でも今作にはリスペクトがあったのかというと…ぜ~んぜん無いんですよ!私にとって人生で1番嫌いな映画になりました。
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