イタリア映画祭2021のオンライン上映で視聴。
とにかく、この映画だけは観たかったのだ。
僕もまた、いつの日か《「すべてが美しい」》と言うだろうか?
マッテオは、なぜああいう選択をしたのだろうか?
最近は、2時間を超える映画にはなかなか手が出なかった僕が、6時間という長さをまったく感じなかったのは驚きだ!
1960年代から現代までのイタリアの歴史と、その中で生きる恋人たち。
もちろん、大好物の設定ではある。
だが、6時間とは!
イワン・プイリエフの『カラマーゾフの兄弟』が3時間 52分。
テオ・アンゲロプロス『旅芸人の記録』が3時間 50分。
ベルトルッチ『1900年』でさえ5時間16分だ。
これだけの長さを、しかも自宅のソファーでパソコン画面という環境で少しも飽きさせることがないというのは、それだけで一つの達成だと思う。
ジャズミン・トリンカの憂いを湛えた瞳が、僕をサリヴァンの『精神病理学私記』へと向かわせるだろう。