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映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険のmotoietchikaのレビュー・感想・評価

3.5
10万年前の痕跡を発見してその時代に戻り、「ああ、あれは僕らが残した痕跡だったのか」となるいつものパターン。
遡る年数はでかいが、基本的にそれだけ。わりと地味な話ではある。

展開の規模はわりと抑えめでドラマ重視なのかと思いきや、心情ドラマもシンプル。劇場版ドラえもんはいつも新キャラとの親交を深める話が多いイメージだけど、実は今回は「のび太とドラえもん」の物語でした。
でもそこに焦点を絞った割り切り方はむしろ良かったかな。ドラえもんがのび太をかばうシーンなど。

作画もエフェクトやアクションで派手に見せるというよりは登場人物の運動を丁寧に描いていて好感が持てる。それだけでこの作品のコンセプトが見えるよう。

ただ、地味な話のくせに無駄に設定が複雑すぎる。
ヒョーガヒョーガ星の少女たちが、凍らされてしまった故郷を戻すために地球へやってきて、特別な力をもったリングを探す……ってそんなややこしい話にする必要あるのか。
この設定自体が「新キャラの少女」をのび太らと接触させるためにしか機能してない。
てか最後のリングのくだりがあまりにも雑すぎてそりゃねえわってキレますよね。

望遠鏡のオチは秀逸。後味は綺麗、お後がよろしいようで。
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