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新感染 ファイナル・エクスプレスのrollinのレビュー・感想・評価

2.5
ゾンビ映画のおいしい設定だけをすくった湯葉のような映画。

列車はほとんど車内の画ばかり。爆走どころかどうでもいい所でモタモタしててテンポ悪いし、韓ドラみたいな劇伴とか、びっくりするくらい古いスローモーとか、全体的におダサあそばせてるけどそれを国家的バイタリティーがカバーしてる感じ。カルト映画の意匠を拝借しながら全速力でカルトステーションから逃げ去っていく。はて??

パンデミック初期でゾンビの腐敗も無く、美術の予算を抑えられた分、ゾンビ映画としての愛らしさはありまへん。発症までのスピードのキャラ補正に関しては目を瞑ります。自分には主人公がそれほど駄目な父親には見えず。子供に関心があるだけマシやし、ダブルwiiなんて最高のネタになるやん(ww)

ゾンビ化した家族やかけがえのない人を破壊しなくてはならないという非常にドラマチックな要素からも逃げる根拠は、ただこの映画を全年齢対象にしてHit!させなくてはならないから。つまりゾンビ映画としての矜持や責任を負う覚悟もハナからないのでやんす。

唯一良かったのは子供や妊婦やJKよりも自分が愛しいオッサン。人類の大部分を一人で代表してくれたあの欲深キャラが映画自体を連結させていたし、たまらなく愛おしい。
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