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新感染 ファイナル・エクスプレスのmayuchiのレビュー・感想・評価

3.8
【2018年9作目】

本作はソウルから釜山へと行く韓国版新幹線のKTXの車内が主な舞台。
本作のゾンビは素早く動くタイプで、最近ではブラピの『ワールド・ウォーZ』に似てます。

この「ゾンビ」というモノを始めて見た人達が、試行錯誤しながら対処していく様は面白かったですね。
実際でも、こうなるんじゃないかなと思わせます。
弱点を知らないと不利だし、何が有効か探し当てないと生き抜けないですもんね。

さて主演のコン・ユは、何となく鼻に付くイヤなヤツ。
仕事中心の生活で、娘の事も蔑ろにしている。
釜山に住んでいる母親に会いたいと娘にせがまれ、嫌々連れて行く事に・・・。
娘を可愛く思ってない訳ではないのは伝わるし、男親だからか娘との接し方がイマイチぎこちない。
この設定が上手い!

KTXに乗車している客も上手い配置ではないですか。
見かけはパッとしないが、身重の妻を最大限の愛で包んでいる心優しい男サンファ(マ・ドンソク)と、その妻ソンギョン(チョン・ユミ)はしっかり者。
野球部の爽やかな少年ヨングク(チェ・ウシク)とみんなの憧れの的のジニ(アン・ソヒ)
その他にも、高齢の姉妹にバス会社の常務と絶妙なバランスなのです。

私は『ウォーキング・デッド』のシーズン1からのファン。
だからこれ以降のゾンビものは、どうしても比較をしてしまいます。
昨年の『ディストピア』は設定は良かったものの、生かしきれてきいなく、勿体無いなと思いました。
「何故そこでそんな・・・」という意外性が上手く働いてなかった。
『ウォーキング・デッド』は意外性の塊で、観ているこちら側も簡単に絶望に陥れます。
そして長年のファンは、必ずお気に入りキャラがいます。
ちなみに私はグレンとキャロルです。

本作もドラマの様な長尺ではないものの、お気に入りキャラが出来るのではないでしょうか?
きっと多くがサンファだと思いますが(笑)
そして『ウォーキング・デッド』同様、愕然としましたね。

韓国映画のクオリティの高さは前から見事だと感じてましたが、ゾンビ映画も韓国映画特有の諸々を、本作にも惜しげ無く取り入れ、このジャンルでエモーショナルなシーンを巧みに組み込むのはさすが!

最後に、ソヒちゃんはまだ高校生役が出来るのかと、ひっそり驚きました(笑)
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