梶岡

新感染 ファイナル・エクスプレスの梶岡のレビュー・感想・評価

4.0
こういう御時世だからこそ観るパンデミック系パニックスリラー、『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016)を鑑賞しました!

ストーリーとしてはゾンビ化するウイルスが突如感染爆発を起こした韓国のお話です。しかし、この作品が面白くて独自性がある所は新幹線の車両で話が進むという空間的な制約を受けているところ。強力で凶悪なウイルスから逃れるために皆が必死で先頭車両を目指す様子には勢いがありました。

また、人間ドラマとしても十分に楽しめます。父と娘、妊婦と夫、彼氏と彼女。様々な人間関係のせめぎあいは、日本以上に家族想いな慣習の多い韓国映画ならではの醍醐味なのではないでしょうか?

でも、この作品の主題は、僕は「利他的な行動の合理性」と「利己的な人間の蔓延る社会へのアンチテーゼ」のように感じました。この作品の中では、新幹線という箱がまるで社会の縮図のように扱われ、自分の事だけを考える人間がいたり、他の人を助けようとした結果被害者を増やしてしまう人間がいたり、社会的地位の低い人間がいたり、デマを流す人がいたり…などなど様々な人々が同居する空間を再現しています。「いざ自分があの場にいたらどういう対応をするだろうか?」と、格差是正や平等主義を掲げる我々にとっても、決して避けられない、非常に考えさせられるテーマとなっていました。皆さんならどうしますか…?僕は開幕10分で瞬殺されてしまいそうですが…笑

どの側面から観ても内容の充実した、よく出来た作品だと思います!高評価です!