MayuShimada

家族はつらいよ2のMayuShimadaのレビュー・感想・評価

家族はつらいよ2(2017年製作の映画)
3.8
天の邪鬼がんこ親父再び!笑

橋爪功さんのこの憎ったらし~い演技すごく面白い。前のシリーズでも書いたけど、うちの父親も大黒柱である父親に楯突かせない昔ながらの家族のかたちに馴染んでいて現代についていけないタイプだったので、懐かしい(すでに他界しているので)やらめんどくさいやら憎たらしいやら…笑
新しい世代の子供たちは「もう、困った人ねぇ」なんて言いつつも、やっぱり心配だし、大事な存在だし、尊重してあげたいと思ってるもんなんですよねぇ。
相反する気持ちを抱えてしまうがゆえに、"家族はつらいよ"となってしまうわけです。

わかるわ~
家族って難しいんだよなぁ。わかってるつもりでわかってなかったりするし。別の人間なんだから当たり前なんだけど、わかってくれてないって思うとショックなんだよね。わかってなかったことがわかってもショックだしね。

最近話題の高齢者の危険運転とか、独居老人の死についてとか、現代社会特有のわりと重めなテーマをさらっと入れ込むあたりうまいのよね。そんな重めなテーマが2つも盛り込まれてるのにガチャガチャしない(コメディという意味ではガチャガチャしてますが)でまとまってるし。
なにせ最初に浮上したトピックを解決しないまま最後まで引っ張ってさらにそれを活かした終わりかたするんだから。
天才かよって思った(お前何様だよ)。

あれが解決しないからこそ、家族の話としてリアリティがあるし、がんこ親父のひねくれ加減が強調されてもうね、
最後のお父ちゃんの表情が最高におもしろい。

あと台詞が粋。お気に入りは
「そうだよぉ、俺は"すみにおく"と邪魔ンなる男だよぉ」
ですね。誰の台詞かは見てのお楽しみ。

今の家庭にはあってもほとんど活躍しないであろう家電がけっこう使われてたり、みんなが集まったから店屋物をっていう発想がなんだかレトロで懐かしさを誘う。その辺も私は好きですねこのシリーズ。

そして今回も小津作品が見切れる。今回は秋刀魚の味でしたね。隣のはちょっと一瞬過ぎて読めなかった。小津探しもこのシリーズの醍醐味となるのか。
秋刀魚の味は見たことないから今度見ようかな。
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