このレビューはネタバレを含みます
腑に落ちない点が多い。
それがシャマラン作品の魅力と言われればそれまでだが、どうにも微妙な作品だった。
この手の映画のお約束だけど、殺されるマルシア、クレアの性格の悪い二人を典型的なビッチに描いてくれないと変に可哀想に見えてしまう。
こんなんなら冒頭にパーティーシーン入れるなよと。
あれのせいで浮いてるケイシーをちゃんと面倒見てる優しい友達、という風に映ってしまう。
別々に監禁されてからもケイシーの事を気にかけてるシーンもあるし。
あとはフレッチャー先生の殺され方。
殺し方をエグく描いたのはビーストの残虐さを表したかったんだろうけど、じゃ最後ケイシーを見逃すなよと。
君は他の子とは違うとか言って優しさ見せちゃってるし。
ケイシーも叔父から性的虐待をされた過去(今もされてる?)を持ってる訳だけど、最後の叔父さんが迎えに来たわよって警察から告げられるシーンでもせっかく助かったのになんか絶望してるように見える。
あの体の傷は自傷行為なのか叔父にされたものなのか。
それをよく表してるのは監禁された直後、マルシアが部屋から連れ出されそうになった時に耳元で「おしっこしな」と言ってるとこ。
当初ケビンが車に押し入って来た時に丁寧にハンドル等を拭いてるシーンがあり重度の潔癖症と思われる。
これをケイシーがちゃんと見ていたから言ったとも取れるし、叔父に性的虐待された時の対処法でやった事があるから言ったとも取れる。
あの台詞一つに凄く深い意味があったのかなあと。
途中まではスリルがあり、どう脱出するんだろ?とワクワクするんだけど終盤に掛けての展開は全くの期待外れ。
最後のオチもブルース・ウィリスが出てくるけどシャマランの作品全て見てる訳じゃないから意味が分からなかった。
壁這いずり回ったりショットガン撃たれても死なないビースト設定がなければもっと好きになれた作品だったかな。
スッキリさを求めてる訳でもないし不条理映画でも良いんだけど、だったらもっと上手くやってくれよと思う。
ただ主役マカヴォイの演技力は素晴らしかった。
目を見張ったのはそこだけかな。