わきお

スプリットのわきおのレビュー・感想・評価

スプリット(2017年製作の映画)
3.7
ジェームズ・マカヴォイ七変化

女子高生のマルシア、クレア、ケイシーはある日見知らぬ男に突如拐われ、隔絶された居室に監禁される。脱出を図る彼女は犯人の男と話す女性に助けを求める。しかし、その女性は犯人の男と同一人物。つまり、犯人は23の人格を持つ多重人格者であった。「様々な人物」を相手に脱出の糸口を探る彼女たちの運命はいかに。そして、犯人の目的と「彼ら」が恐れる24番目の人格とは…

なかなかスリリングな作品でした。異なる人格の誰を利用するかという心理戦。ある人格が別の人格を演じているかもしれないという懐疑心がこちらにも伝わり、先が読めない展開がしっかり終盤まで続きます。近年のシャマラン作品が陥りがちな風呂敷はでかいが上手く畳まない傾向にもなんとか至らずに済んでる気がします。
ただ、多重人格を扱う作品はそれなりに良作もあるため、全く目新しい作品ではないです。

何と言っても特筆すべきはジェームズ・マカヴォイの怪演でしょう。自身も途中から誰を演じているか分からなくなったという難役を見事に演じています。表情の癖や口調の変化だけで実質20人以上を演じ分ける力には閉口しました。

一時期キャリアが低迷していたシャマラン監督が徐々に光を取り戻しつつある。そんな期待を抱かせる作品に仕上がってます。

Mr.ガラスが気になるのう。
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