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スプリットのSUIのネタバレレビュー・内容・結末

スプリット(2017年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

地味なB級映画と思って観ていたら、ジェームズ・マカヴォイやブルース・ウィルスなんかもちょっぴり顔を出しているし、監督はシックスセンスのM・ナイト・シャラマンで、全然B級じゃなかった。

主人公のケイシーは、訳も分からず突然拉致監禁されたにもかかわらず、冷静に状況判断し、賢く対処する。
そのケイシーの行動には、狩を父と叔父に仕込まれたことが経験としてちゃんとある。
しかし、その過去にはどうやら続きがあるようだが、その後から現在に至るまでのケイシーの境遇(虐待)は匂わす程度にしか明かされない。
拉致監禁状態への緊迫感や没入感を犠牲にしてまでそのシークエンスをぶっこんできたことを考えると、効果としてはいまいち。

また、ビースト化からのクライマックスも釈然としない。
ナイフが刺さらないとか、至近距離から撃たれたショットガンが致命傷にならないとか、ぶっとい鉄格子をひん曲げてみせたりとか、そういうのはマーベルにでもやらせておけばいい。
ラストでケイシーの体に(虐待でできたと思しき)傷があるのに気づき、自分と似た境遇と見て見逃すっていう展開もありきたり。

中盤まではなかなか面白く観れただけに、その詰めの甘さが残念だった。

デニスを主人格とした多重人格者を演じきったジェームズ・マカヴォイが、いい意味で気持ち悪かった。
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