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What Is It?(原題)のwigglingのレビュー・感想・評価

What Is It?(原題)(2005年製作の映画)
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カナザワ映画祭2016のラストを飾るのはクリスピン・グローヴァーの朗読パフォーマンス「ビッグ・スライドショー」と併映の本作。前日の終わらないQ&Aセッションに辟易しつつも、映画はきっと素晴らしいに違いないと信じて鑑賞。

"it"トリロジーの1作目だそうで、前日の"It Is Fine! Everything Is Fine."は2作目、3作目はまだ存在しない。
これがまた奇天烈な作品で、出演者のほとんどはダウン症の方々。そんな彼らが健常者を演じるというナゾな代物。彼らはカタツムリをぐちゃぐちゃに潰したり塩で溶かしたり、ひたすらカタツムリのジェノサイドに興じる。

そして別の世界ではグローヴァー氏が演じる王が世界をコントロールしている。その傍らでは獣の頭部がをもつ女性がたちが"It Is Fine!..."のスティーブン・C・スチュアートの局部を愛撫し続ける。

"It Is Fine!..."も相当にタブーに踏み込んでいたけど、本作に感じる背徳感はそれ以上かもしれない。作品のルックや空気感はケネス・アンガー作品に近いものがありましたね。

ただ、明確な物語はない(ように思える)ので観てて面白くはないんですよね。グロテスクなイメージに身を任せることができない人には辛い時間になるかもしれません。まぁ観れる機会は限りなくゼロですけど。

そんなわけで、カナザワ映画祭自体も今年が最後。予告を見せてくれたクリスピン・グローヴァーの次回作や"it"トリロジーの3作目は、カナザワ映画祭なき後に観ることができるのだろうか。
何年後かでいいので復活開催して欲しいと切に願っています。
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