ヒカル

It Is Fine! Everything Is Fine.(原題)のヒカルのレビュー・感想・評価

5.0
@カナザワ映画祭
まさか生きている内に「ビッグ・スライドショウ」を観れる日が来ようとは!!カナザワ映画祭には感謝してもし尽くせない。

物語は、重度の脳性麻痺を患っているスティーブン・C・スチュアートが脚本と主演を務めたサスペンス。
撮影の一ヶ月後にスティーブンはこの世を去ってしまったらしいが、映画を観ると(その観るのが滅茶苦茶大変なのだが!)一人の人間が死ぬ覚悟で込めた思いや怒り、悲しみがヒシヒシと伝わってくる。

個人的な事を書くと、上映後のQ&Aでファスビンダーについての質問をする事が出来て良かった。撮影の始まった90年代にファスビンダー映画を観始めた事や、「感情的な知性と社会性を同時に画面に納める点でキューブリックよりも優れた監督かもしれない」などの話をたくさんしてくれたけど、ファスビンダー映画の常連女優で本作の重要キャラクターでもあるマルギット・カルステンセンのキャスティングの経緯が一番興味深かった。
邪推だけど、スチュアートと彼女との直接のセックスシーンが無いのは(それ以外の女優とはある)、恐らくスチュアートはタイプじゃなかったからなのかも。
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