みーちゃん

怪談お岩の亡霊のみーちゃんのレビュー・感想・評価

怪談お岩の亡霊(1961年製作の映画)
3.7
負のパワーが凄すぎて、おもしろかった。
伊右衛門は、人間として最低で、卑劣で、軽蔑しか抱かないのに、そんな若山富三郎が超セクシー。

近衛十四郎が演じた直助は、作品全体のテイストを左右する重要な役で、本作にふさわしいナイスキャラだった。本気で腹立つ。

四谷怪談は知っているつもりだったのに、私の認識が違っていたのは、お岩さんに毒薬を飲ませようとしたのは誰か?ってこと。てっきり夫の伊右衛門だと思ってた。で、殺害するつもりが、微妙に効き目が弱くて、ああなったのかと。

でも本作では全く違っていたので驚いた。その策略を知ってしまった今!自宅に向かって駆け出せば、今!大声でお岩さんに向かって叫べば、もしかして阻止できたかもしれない。なのに、それをしなかった。彼が黙認することを選択したのか、一瞬躊躇しただけなのかは分からない。あの瞬間、伊右衛門は沈黙し、動かなかった(動けなかった)。それが一番怖かった。