ハル

関ヶ原のハルのレビュー・感想・評価

関ヶ原(2017年製作の映画)
3.5
関が原の戦い、または、そこに至るまでの経緯について、多少なりとも予備知識のある方には、有意義な時間になるだろう。

逆に知識のない方、歴史の苦手な方には、退屈な時間となるはずで、迫り来る睡魔と戦わなくてはならない。

特筆すべきは以下の三点。

①セリフ

いささか長い。少々難解。そして、聞き取りにくい。重厚な政治劇を彷彿とさせる、長口舌の台詞回しは、往年の時代劇ファンならついていけても、そうでない方には「?」となるのではないか。

②アクション

迫力満点。血がぶっしゃぁぁと勢いよく出る感じがたまらない。だが、私が感心したのは、槍を突き刺すのではなしに叩く道具として使っている点であった。実際の戦では、槍は敵を近づけさせないために用いられたのであるから、時代考証的にはこれで正しい。

③役者

大手の芸能事務所が若手の大根役者をぶっ込んでくるという、日本の芸能界の力学は解せないが、岡田准一氏の演技力はジャニタレであることを忘れさせて余りあった。また、脇を固める役所広司、平岳大、滝藤賢一などの存在感も異様。日本のトップレベルの役者が一堂に会しての、豪華競演の闘いが繰り広げられた。だが、その中で、申し訳ないが、有村架純と東出昌大だけは明らかに浮いていた。二人とも重要な役どころなのに、演技が未熟過ぎて周りの足を引っ張っていた。

そういうことを勘案して、3.5点。

原田眞人監督には今後も期待したい。
ハル

ハル