ぐるぐる映畫

関ヶ原のぐるぐる映畫のレビュー・感想・評価

関ヶ原(2017年製作の映画)
4.0
歴史、武将好き歓喜!!
そうじゃ無い人を完全置き去り系映画!

僅か6時間で決着がついた天下分けめの大戦、関ヶ原の戦いを描いた司馬遼太郎原作の歴史小説「関ヶ原」をこれ以上ない豪華キャストで映画化。

原作は未読なのですが、充分すぎるほど堪能できました。
歴史好きで戦国シュミレーションゲームをやり漁った自分からしたら最高の一本。

関ヶ原の戦いというもの自体が戦国武将オールスター戦のようなもので(朝鮮出兵の時の方が最高のメンツなのですが) 石田三成、島左近、大谷吉継、福島正則、小早川秀秋、井伊直政、宇喜多秀家、黒田長政、本多忠勝、長曾我部元親 etc...といった激アツなメンバーでそれだけでもワクワク出来るのに、そこに+ドラマチックな展開があるのでまた面白い。

そんな魅力充分なストーリーに豪華キャストが見事にハマっており、映画の世界に入り込みやすかった。

豊臣秀吉を演じる滝藤賢一や安定の役所広司が演じる徳川家康、大谷吉継(刑部)を演じる大場泰正などが好演。中でも、島左近を演じる平岳大が素晴らしかった。まさに鬼左近という異名通りの迫力のある好演で兎に角カッコいい。

そして、本作では関ヶ原の戦いで最大のキーポイントとなる小早川秀秋の描き方が優柔不断でどこか頼りないキャラクターに描かれており面白かった。このキャラクターを演じた東出昌大がこれ以上ないほどのはまり役。心が揺れる姿が分かりやすく説得力を産んでおり、物語が大きく動くアクセントになっていた。

と見所充分な作品だったのですが、その分不満点もチラホラ…

一番は監督がアクションを撮るのが苦手なのかまあ〜見辛い!

何故か上半身のドアップで手元があまり見えずシーンが細切れになるので何が行われてるかさっぱり分かりませんでした。

折角、島左近役の平岳大が最高にかっこ良く迫力があったのでしっかり殺陣を見たかった!

岡田君を起用したのもアクションをを見込んでの事かと思いきや…目立ったアクションも少ない。唯一あった見せ場の敵陣に自ら乗り込んで倒して行くシーンが最高にかっこ良かっただけに…うーん…

この作品自体がそういうジャンルじゃ無いのかもしれませんが、そういうノリをやっといて中途半端で終わるのは惜しいし残念。あそこすげぇかっこ良かったのに!
そのノリを見せるなら全体的にそのノリを突き通して欲しかった。

個人的に大作の臭いがする映画のはずが大作になりきれなかった感がある惜しい映画に思えました。