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関ヶ原のbeans045のレビュー・感想・評価

関ヶ原(2017年製作の映画)
4.0
老獪な役所家康の戦略


amazonプライムで関ヶ原を再鑑賞。原作は読んだことが無いけど、他の小説を読んでいると、ほぼ原作通りと思われる。役所家康と平左近は完全に主役の岡田三成を飲み込んでいた。滝藤秀吉も、クセがあって新鮮だった。戦いの前の交渉が、全てを決めるということが描かれていて、これは仕事でも言えることだと思う。義を戦いに求めていた三成と、戦いに利用した家康、しかも尾張派の豊臣家臣の協力を得て。家康は自らの戦力を温存し、戦後の大局を見て豊臣家の戦力を消耗させることを狙っていたのだ。三成のような義を貫く武将は戦国時代には少なく理解されにくい稀有な存在だったろうなと。そして、家康の本当の狙いを、当時知っていた武将が尾張派の中にどれだけいたんだろうか?そんなことを考えながら観ていると面白かった。この老獪な家康の他に、もう一つの見所は、三成に三顧の礼をもって迎えられた、島左近の殺陣。戦場を縦横無尽に駆け、最後に敵を巻き込んで爆死する様は戦国武将そのもので、戦国時代の終わりを暗示するものだった。関ヶ原の戦いの勝敗を決定付けた小早川秀秋の優柔不断さと言うか予測不能な立ち振舞いを、東出昌大が上手いこと演じていたと思う。
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