チーズマン

WE ARE Xのチーズマンのレビュー・感想・評価

WE ARE X(2016年製作の映画)
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Xが3つの方の映画も観たかったけど、やっぱ好きな者としてはこっちですね。

「X JAPAN」

全く直撃世代ではないけど、中1の時に友達が年の離れた兄貴から借りてきて聴いた「BLUE BLOOD」で衝撃を受けて以来すごい好きなバンドの1つです。

第85回アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞を獲った『シュガーマン 奇跡に愛された男』というスェーデン・イギリスのドキュメンタリー映画、ミステリー的要素と構成の妙ですごい面白かったがなにより“シュガーマン”ことロドリゲスという歌手を題材として選んだ“確かな目”に感心させられました。
その製作陣が次に選んだ題材がなんと「X JAPAN」だと知った時は思わず、マジか…と声が漏れました。

そして観ると、予想以上にカッコ良く愛情を込めて描いてくれて。
とりあえず率直な感想は「なんかほんと…あざっす」という感じでした。笑

X JAPANに近過ぎない人、つまり海外の監督・スタッフが撮っていることで日本国内でのイメージフィルターが剥ぎ取られ、このバンドの魅力がより分かりやすく感じるように思えた。
特に“死の香り”みたいなものをやはりすごく感じるバンドだとあらためて思った。
それは歴代メンバー2人が死んでしまったこともあるけど、幼い頃に死に触れたリーダーYOSIKIの人生観に起因するところも大きいと思います。
今のYOSHIKIにとってToshIがどれほど大きい存在か、YOSHIKIがステージ上では今でもhideと一緒にいると言っていたようにこの映画でもhideの存在感を常に感じました。
そういう感じでYOSHIKIを軸に進んでいくのでX JAPANの映画と同時にYOSHIKIの映画でもありましたね。
あと日本的な遠回しな表現はせず聞くべきところはストレートに聞いていくところもスリリングで面白かった。

内容がTAIJIの死に触れた時は吉田豪の“小島慶子キラキラ”での話しがそのまま音声として使われていたのでなんだか可笑しかった。

X JAPANをそこまで知らない人でも楽しめるし、少しでも興味がある人なら入り口としてこれほど最適な映画もないのだけれど、結局観るのは好きな人だけというこの手の映画のジレンマは観客席を見渡しても思ってしまいますね。

あと、他のメンバーがあまりに濃過ぎて初期メンバーなのに割と存在が薄く見られがちなPATAですが、自分が高校の時に活動していたバンドで、その当時PATA(敬称略)が参加していたとあるバンドの前座をやらせてもらったことがありますが、ステージの上に立つ姿は袖から見ていてガキの自分でも鳥肌が立つぐらい頭抜けて“ギタリスト”の風格でした。
あの波乱万丈のバンドの中で、唯一口髭以外はなにも変わらずにいれることは逆にすごいことだと思いますね。
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