先に言ってしまうと、この映画はX JAPANのファン以外には見て欲しくない。
せめて、アルバムを時系列に聴いて、そのアルバムの発売の間にX JAPANに起きたイベントを抑えてほしい。
私はX JAPANの曲と、X JAPANのストーリーは大好きだ。
そんな私は残念ながら、X JAPANはリアルタイムではないし、リアルタイムで買ったDahliaの良さに気づいたのは10年以上あとだった。
リアルタイムではないにしろ、アルバムを出すといいつつ焦らしたり、メンバーの破天荒で尾ひれががっつりついた伝説などの確信犯的な盛り上げ方がとても好きだ。
だが、正直、X JAPANのドキュメンタリーは敬遠してしまった。
"はじめてのももクロ"のような撮り方で、ドラマティックに、プロレスチックで、スキャンダラスな展開になってしまうことが怖かった。
ただでさえYOSHIKIの世界感の中で演出されて来たストーリーをそんな形で見せてしまったら、田舎臭くてたまらなくなると思っていた。
そんな心配のなかで鑑賞したが、この作品はX JAPANのドキュメンタリーとしては素晴らしい出来であると感じた。
YOSHIKIとX JAPANの世界観を上手に映しつつ、客観的に撮影をしている。
客観的に撮影をすることによって、フィクションのようなX JAPANの世界が、リアルなものとして浮かび上がってくる。
オープニングとクライマックスは気分が最高に盛り上がるバランスは美しさすら感じる。
"はじめてのX JAPAN"になりうる作品ではないが、ぜひ見てほしい。
そして、この映画をレンタルするのであれば、CDもレンタルしてほしい。
blue blood、jealousy、Dahliaの3枚はもちろんだが、art of life、vanishing visionもぜひ。