Nabkov

ゴールド/金塊の行方のNabkovのレビュー・感想・評価

ゴールド/金塊の行方(2016年製作の映画)
3.5
日本ではあまり知られていない、金採掘にまつわるスキャンダルを描いたドラマ。base on true story、と言うわけだ。現実の事件に関しては以下の記事が詳しかったので、転載しておく。

・アメリカ・カナダの経済界を震撼させたBre-X 鉱山事件顛末記
http://www1.odn.ne.jp/kminami/sub%2022.html

鑑賞するまで気付かなかったが、この前に観ていたジョイ、と同じくエドガー・ラミレスが主要登場人物として登場する。そしてまたしてもコリー・ストールだ。悪役から実は良いやつ、加えてクズ役まで、紳士的にこなすデカい男。ガタイは良いけど、基本的にドラマに軸足を置いて活動している、アントマンのイエロージャケットやハウス・オブ・カード、ミッドナイト・イン・パリのヘミングウェイ役でも記憶に残っている。

最近メキメキ登場頻度が高い上記2人の他には、ブライス・ダラス・ハワード嬢や、ブルース・グリーンウッド、そして何よりマシュー・マコノヒーだ。ダラス・バイヤーズクラブでの印象から一転、肥えてきた+ハゲてきた。まぁ、この印象(事前に観たシーンのアイアンメイデンのTシャツにブリーフ姿)で俄然この映画が観たくなったのは言うまでもない。

映画全体の筋立てとしては、史実の事件を種にフィクションを作ると言う、昨今はやりの流れ。ただブラックユーモアに転げすぎることもなく、一瞬サクセスストーリーと誤解してしまいそうな流れ、悪になりきれない平凡の延長線上にいる登場人物たちが、微妙にこじんまりとまとまってしまっている印象。シーンごとには素晴らしいものが見え隠れするのだが、全部盛りの集中力のなさというか、各々その道の名作と並べてしまうと霞む印象。ウルフ・オブ・ウォールストリートや、ダラス・バイヤーズクラブ、アメリカン・ハッスルやマネー・ショートなど。その多くに主演のマシュー・マコノヒーが出演しているのが、なんとも。

決してつまらなくは無いし、自分は長さを感じないが、所々散漫な印象でまとまりがない。編集次第でもっと違う内容に振れた気もする、少し残念な作品だ。
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