ときに理不尽で、執拗で、不道徳で、ミスジャッジメンタルな情熱というものがあって、それが良きにせよ悪きにせよ、絶対的な価値をもたらすんだということを感じた。金と同じで、そこは何に代えても譲れない部分なんだろうという気づきがあった。たしかに美しくない終わり方や、自業自得とも言える抜き差しならない事態もあり、そこに不協和音のような「あら」みたいなものがある作品だったけれど、とても芯のある作品でもあった。個人的にはルーザーズ・ストーリーが逆転サヨナラでちゃんと終わるというのが好きなので、他の部分はあまり気にならなかった。もう少しスマートな作品だったらもっと好みなのは事実なのだけれど。