ほとんんどサイレント映画のような演技・演出で、誰が観ても分かる物語になっているので、ホドロフスキー作品の入門としても良さそうです。
しかし、その裏には皮肉が満載で、監督の思想が垣間見えるところが面白いです。食卓で犬にキャビア、人には骨を与える場面や、金のことしか頭にないような人間よりも、娼婦たちのほうが本物の人間だと言ってのける場面など、印象的なものがたくさん詰まっていました。
また、この作品では富や名声を手にすることよりも、人(生き物)と密接に関わっていくことのほうが幸せそうに描かれていると感じました。つまり、監督は人生の喜びは誰かとつながることだ、と訴えたかったのではないでしょうか。
これは余談ですが、僕は今後、もう絶対このクリストファー・リー御大みたいにたくさんの犬に囲まれて、なんかよく分からない乗り物にまたがってシンバル叩いて、レインボーガールズを大勢呼んで、目隠し鬼ごっこをして、そのまま死ぬのが「理想の死に方」と答えるようにしようと固く決意しました。