木葉

映画 夜空はいつでも最高密度の青色だの木葉のレビュー・感想・評価

3.8
青が題名に入る小説、映画は多い、青という色をみると心が落ち着くし、青春にも青という字が入っているし、何より真っ青な空は清々しいし。
この映画は、都会のど真ん中に生きる、どこか、冷めた目を持ち、日常に希望すら持っていない、それでも何かを求めてる男女のラブストーリーを軸に、彼らの目に映る都会を世界を描いている。
主演の石橋静河さん、石橋凌と原田美枝子の娘だからうまいのだと納得した。池松壮亮は私から見たら泥臭くなくおぼっちゃま感や育ちのよさが抜けきれていない。
脇役ながら松田龍平と市川実日子がいい味を出していた。
東京という街は、人やものがあまりにも詰まり過ぎてるし、時々息が詰まってしまうのは致し方ない。
東京、都会だからこそ、人が溢れかえっているのに繋がれない閉塞感、都会に住むからこそ感じる孤独、混沌とした日々を、この映画はうまく突いていた。
いろいろ詰まり過ぎてる箱のようなこの世界で、誰もが鬱屈した思いを抱えながら生きている。
SNSがあり、繋がっているようで、繋がりが薄くなった世の中で、私達は、誰にも知られない人であり、また、誰かに認めてもらいたい人でもあるのだ。
不器用に、がんじがらめに、生きながら、それでも、まだ見知らぬ誰かに出会うことで、新しい世界が見えてくるかもしれないのだ、だからこそ私たちは、生き続ける。いい意味でも悪い意味でも青い映画。
木葉

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