七坂

映画 夜空はいつでも最高密度の青色だの七坂のレビュー・感想・評価

3.2
詩人 最果タヒの詩を映画化した本作。

空虚を詰めたような東京という街の片隅に生きる不器用な若者達の現実、という題材は凡百のそれではある。しかし挿入される最果氏の詩によって本作は独特の世界観を醸し出していると言えよう。0か100でしか生きられないようなゼロ年代の中学生みたいな価値観を愛しく思ってるので、そういう意味でも肌に合ったかなと思う。こういう作品をエモいと評するのはなんだか安易な感じがして嫌だ。会話は意図して棒読みに近く、くどく冗長なそれではあるが生きた会話とはそんな物ではないのかと思う。怠惰に生きても、妥協出きるくらいの幸福は手に入ってしまうという絶望が染み入る。詩的な演出は良かったけれど、あの歌に関してはあざと過ぎるように感じたので私はあまり好きではない。何処か安っぽい薄暗い雰囲気を纏ってるのが、しかしこの作品にはお誂向きだ。東京はそういう場所だし。あと、タイトルが好きだ。