ねぎおSTOPWAR

アイム・ノット・シリアルキラーのねぎおSTOPWARのレビュー・感想・評価

4.0
PINK PINK PINK!!

エンドロールに
<COLORIST:NICOLAS PANTERIS>
ってありますが、この人どんな色彩感覚しているんでしょうか。
半分ほめてます。
意図的なんでしょうね、出てくる服や店の照明にやたらとパッションピンクに寄せた色が登場。青も赤もすごくビビッドな色合いに調整しています。人間の肌もかなり赤くなっちゃってる。たぶん今のDavinciResolveとかで部分的に調整できるものではなく、全体に色を寄せざるを得ない中で寄せてる。
日本のTVならエンジニアがOK出さないレベルですよ、これ。

工場の煙突と煙が何度も出てきて、まるでマンチェスターのようなグレーの空気感と雪景色なので、とてもPOPな雰囲気には貢献していますよね。

さてこの映画、シネマカリテで上映していたとき観たかったんですが時間合わなかったんです。「バックトゥザフューチャー」ファンとしてはクリストファーロイドが出ているってだけでワクワクしていました。
そして観るとなんとそうですか、そういう役なんですね。しかし老けましたね。そりゃそうか、わしもおっさんだもんね。既にドクおっさんだったし。

ジョンの設定が興味深く、わたしはB級作品としてとても楽しめました。好きですこれ。



以下ちょっとジョンのこと詳しく書くのでこれから観たい人はここまで。



ジョンは人間の肉体や構造、死ぬということに人並み以上に興味を持つ少年。道徳的なブレーキはないわけじゃないが、欲求の方が強いみたい。そして同時に「普通」に憧れてもいる。それが母の仕事、死体解剖の手伝いが先なのか後なのか、もはやそれでストレスを解消している感じ。
殺してみたい気持ちもあるのかな?でも実際連続殺人が起きてみると、むしろ止めなくちゃいけない気持ちが勝ちはじめた。このあたり、同じ気持ちを持つ人間だからわかるとか、同調したり憧れたりする気持ちにも見えるところは面白いところ。
まあ殺人を目撃したとき漏らしちゃうんだからまだ真っ当な人間ってことか。
この事件を通して自分のスタンスや心の中の道徳を発見できたことで何やら大人になった様子です。めでたしめでたし。