氷雨水葵

インシディアス 最後の鍵の氷雨水葵のレビュー・感想・評価

インシディアス 最後の鍵(2018年製作の映画)
3.4
2023年リライト19本目

恐怖と人間ドラマのバランスが良い

◆あらすじ
霊能力者エリーズ(リン・シェイ)のもとに、エリーズが幼少期住んでいた家に現在住んでいる住民から連絡が来る。

怪現象が続くため、助けてほしいという依頼だ。

迷った挙句依頼を受けるが、生家に戻ったエリーズは忌まわしい過去と対峙する―――。

◆感想
『インシディアス』マラソンも最終回。公開順では4作目ですが、時系列では2作目にあたります。中盤以降およびラストにChapter1を匂わせるシーンがあってびっくり(全然覚えてない)。でも、エリーズの父親と後住民が同じ所業を繰り返していたのは、覚えていました。

何気にドキッとしたのは、エリーズの弟がホイッスルを吹いたとき。「出た、これ絶対フラグやん」と思わずにはいられないし、今後の展開にニヤニヤが止まらない(笑)そして、私が一番ビビったのは、序盤、子ども部屋を男の子が走り抜けたシーン…弦をひっかくような音にびっくりしたし、その後の弟の横でホイッスルが鳴るまでがワンセットでマジでビビりました…。それに比べりゃ、中盤以降の鍵お化けの描写はあんまり怖くなかったな。ビジュアルは意外とはっきりしているし、憎しみによって肥え太るという設定もイマイチでした。微妙に、ジェームズ・ワンが積み上げてきた恐怖演出じゃないよな~と思いましたが、監督違うやんけ(後で気づいた)!脚本はリー・ワネル続投だけど、監督が変わるとこうも演出に差が出るのか…。

まぁ本作は幽霊的な怖さに加え、人間が一番怖いパターンのお話なので、そこが刺さらなかったです。それならもっと『透明人間』くらい振り切った内容にしてほしかったところ。とはいえ、悪霊に憑りつかれてる設定なので、結局は「悪霊怖い」になるんですが。
ただ、エリーズの過去と現在をバランスよく描いており、そのなかにしっかり怖さもあるのでよくできていると思います。
エリーズにつけたカメラ視点で部屋のなかを見るシーンはドキドキしました。どうしてもパラノーマル感ありますが、心臓バクバクでした(笑)
そして、タッカーとエリーズが部屋のなかを歩くシーンでは、ホイッスルの伏線をうまく回収。幽霊に導かれているので怖さはありますが、個人的には「音」による定番の演出にニヤニヤしっぱなし。ちゃんとエリーズの質問に応えてくれる幽霊さん優しいな。自分と同じ目に遭っている女性を助けてほしい、という訴えがひしひしと伝わってきて、謎にぐっときました。しかも、幽霊の正体が、エリーズが若い頃に助けられなかった女性だと知ったときは、もっとやばかった。

住民の男性がやばい人だと分かってから、スペックス頑張ってました!いつもすぐにダウンしちゃう彼だけど、ちゃんと活躍してる(笑)そして、住民が逝ってからが後半戦、エリーズの弟と2人の美人娘たちによるホイッスル探しからの、喉に鍵をかけられるという展開。さらに、エリーズの父親の所業に驚くとともに、大量のスーツケース発見からのドキドキ鞄開け大会開催。「いつ来る?いつ来るの!?」と心の準備をしても耐えられなかった、スーツケースどっきりは必見(?)
鍵お化けとの戦いは比較的あっさり終わった印象。娘たちも救われハッピーエンド・・・かと思いきや、未来を見ることができるエリーズは、1人の少年ダルトンの夢を見る、といったところで本当のエンド。そしてChapter1へ。

公開順で観るか、時系列で観るか、個人的には公開順のほうが楽しめるかと!
氷雨水葵

氷雨水葵