爆裂BOX

スケア・キャンペーンの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

スケア・キャンペーン(2016年製作の映画)
3.8
「未体験ゾーンの映画たち2017」で上映されたツイステッド・ホラーです。監督は「モーガン・ブラザーズ」のケアンズ兄弟。
ドッキリ番組「スケア・キャンペーン」は、「マスク・フリークス」を名乗る猟奇的で過激な動画投稿サイトに押され気味。かつての栄光を取り戻す為に廃墟となった病院で、ターゲットの一般人をドッキリに仕掛けるが、何処か様子のおかしいターゲットは実は殺人鬼でスタッフは次々殺されていくが…という内容です。
これはネタバレしちゃうと面白味が半減する話なので中々書き辛いですが、ドッキリしかけた相手が殺人鬼で逆に番組スタッフたちが殺されるというアイディアは面白いですね。似たような設定の作品ないかと言えばそんな事もないですが…
冒頭の死体安置所の警備員へのドッキリはJホラーっぽさも漂わせていい感じに不気味でした。この時点で銃持ちだされてるけど、銃社会なら本当に撃たれる事ありそう。海外のドッキリは過激なもの多いですし。
ライバルとして現れる過激映像集団「マスク・フリークス」の動画もフェイクなのかそれとも本物か微妙な感じが不気味でいいですね。すごいバズッてるようだけど通報した人いないのかな?
そこから次の企画として廃病院でのドッキリになりますが、ここでの仕掛けや段取りなどドッキリの裏側ちょっと見れるのも面白いですね。幽霊役として雇われる新人の女の子が「ヴィジット」のオリヴィア・デヨングで、幽霊メイクしてても笑顔可愛いですね。
そして次のターゲットとして選ばれた男が実はイカレタ殺人鬼で次々とスタッフが襲われていきますが、80分と短尺なのでテンポよく進んでいくのが良いですね。番組の中で唯一常識人な女優エマが病院内を逃げ回りながら反撃すると思わせて…というtwistは正直薄々読めてたけど、「エイプリル・フール 鮮血の記念日」みたいなオチかと思わせて、そこからさらにtwist入れてくるのは唐突な感はあったけど良かったですね。まあ、あいつらも絡んでくるとは思ってた。
殺人鬼の使うカメラに刃物やチェーンソーくっつけた武器も良いですね。前半はゴア描写ないですが、後半からは後頭部から刃物で貫通したりワイヤーで頭部半分切断したり、チェーンソーで切り刻んだりといい感じのゴア描写出てきます。
主人公達の背後から忍び寄ろうとして車椅子蹴飛ばして気付かれたり、回転ノコ起動させたら刃が転がっていったりする殺人鬼の妙に抜けてる所はちょっとおかしかったな。
マーカスは正直クソ野郎だけど、エマがあっちを選んでも納得してたり、最後も潔い感じでしたな。それでも生きたまま焼かれるってなったらもっと泣き叫びそうだけど。最後の炎が迫ってくるシーンも実に嫌な感じで良いですね。
ロケ地を教えたスパイはあからさまに最初から怪しい行動取ってたからすぐ見当付きますね。最後、エマはカメラに気づいたけどあの子も仲間ってことにも気づいたのかな。
テンポも良く、いい感じの切り株シーンやtwistの効いた展開もあって楽しめました。