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ラスト・プリンセス 大韓帝国最後の皇女のrinのレビュー・感想・評価

3.6
偶然ネットで덕혜옹주について知り、彼女についての簡単な歴史について調べた後に鑑賞。

哀しい。とても哀しい。そして김장한の命を賭けた使命感が素晴らしい。(実際はこのキャラクターに当たる人物は居ないようだが)

実際の彼女はとても内向的な人で、総合失調症も患っていた。政治に積極的だったわけでも、強い愛国心を表に出してもいない。

この監督は実際の彼女の性格なども知りながら、朝鮮最後の王族である彼女がもっと自国の独立に対して積極的であったなら…という願い?も込めてこの映画を製作したらしいが、日本統治下で何十年も祖国を離れることになり、もともと内気で孤独だった彼女のことを考えると"最後の王族"と言うレッテルがどれだけ彼女を押しつぶしていたのかと苦しくなる。

その上亡くなった後こうして映画化されるにあたって、夫の事など1ミリも考えず娘と一緒に祖国に戻ることを決め日本人では無いと娘に言い聞かせるシーンなどは、彼女の愛国心を見たい韓国国民(監督)の妄想に見えてしまった。

最後の手書きのメモにもあるように、彼女はただ自分の生まれた国と家族を最後まで恋しがった1人の女性に過ぎない。
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