足拭き猫

花に嵐の足拭き猫のレビュー・感想・評価

花に嵐(2015年製作の映画)
4.0
手持ちカメラでいい加減に撮影しているのかと思いきや、映したいものがしっかり全部映っているので相当計算したんだろうな。悪意に満ちた日常からファンタジーへと変化していき、はじめは雑な映像に疑問を感じていたけれど結局最後まで引き込まれた。

自分が経験したものを忘れないように映画を撮っているというように、非常にパーソナル、女の子がみな可愛いけれど残酷で、監督の女性観がかいま見える。

自分でカメラを持っている時の息苦しさと相手が持っている時の視点の切り替わりと距離感の行き来が新鮮。赤外線カメラのぼんやり感、でも何か恐ろしいことが起こっているのが十分にわかるのも興味深い。

途中から花の素性が分かってしまったのだが、現在から過去へと切り替わるラストシーンが予想を鮮やかに超えてきて、憧れとか劣等感とか後悔とか前向きな感情とかがごちゃまぜになった。