ゴン吉

ドリームのゴン吉のレビュー・感想・評価

ドリーム(2016年製作の映画)
4.7
才能に加えて不屈の努力でアメリカ初の有人宇宙飛行計画を支えたNASAの3人の黒人女性スタッフの奮闘を描いた事実に基づく歴史ヒューマンドラマ。
タラジ・P・ヘンソン、オクタビア・スペンサー、ジャネール・モネイが共演。

1961年にソ連が世界初の人工衛星スプートニクの打ち上げに成功し、続いて人類初の有人宇宙飛行にもソ連のガガーリンに先を越されたアメリカ。
NASAのラングレー研究所では、ロケットの打ち上げに多くの黒人女性スタッフが働いていた。
しかし黒人をはじめとする有色人種は白人と区別され、有色人種専用棟である西棟で働いていた。
そんななかでも数学の天才キャサリン(タラジ・P・ヘンソン)は、白人男性だけで構成されていた宇宙特別研究本部に黒人としてはもちろんのこと女性としても初めて抜てきされるが、やはり差別的な対応を受け、コーヒーやトイレも白人のものを使えなかった。
キャサリンと仲良しのドロシー(オクタビア・スペンサー)やメアリー(ジャネール・モネイ)も黒人であるがゆえに、それぞれ管理職やエンジニアになれずに差別を受けていた。
そんな逆境の中で彼女たちは自らの力で道を切り開いていく……    

当時、黒人は白人用のトイレを使えずに、雨の日でも800mも離れた有色人種トイレに歩いて行かなければならなかったのは、いかにもアメリカらしい。
宇宙開発でソ連に先を越されるのも当然です。
そんな中で宇宙特別研究本部のリーダーやアメリカ人初の宇宙飛行士ジョン・グレンら、トップに立つ人は差別をしない。
彼らは才能があれば肌の色に関係なく接するのが印象的。
「NASAでは小便の色は同じだ」 
前向きかつ一見陽気にふるまう裏で、白人男性の何倍も努力した彼女達の姿を見ているだけで元気が出てくる。
アメリカは、白人だけでなく、こういう人たちがいるからこそ強いのだと思う。
3人の黒人女性を演じたタラジ・P・ヘンソン、オクタビア・スペンサー、ジャネール・モネイの好演も光っていた。
何度観てもラストは感動の涙です。
「我々は夢を生きているんだ」 

2022.3 地上波NHKにて鑑賞(字幕) 
2017.9 国際線機内にて鑑賞(字幕)
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