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ドリームのkyoのレビュー・感想・評価

ドリーム(2016年製作の映画)
4.5
舞台は1961年のアメリカ。
トイレやバスの座席、お店の出入り口等が白人用と黒人用と分かれていた時代。
白人専用の学校や図書館も黒人の出入りは許されていなかった、そんな時代。

ソ連との宇宙開発競争の只中にいたアメリカ航空宇宙局NASAに20名を超す黒人女性が宇宙ロケットの軌道計算に明け暮れていた。本部から800メートル離れた別の建物の中にある「黒人電算室」の中で。
これは実話の映画とのこと。

一人はその能力を買われて本部勤務になるが白人職員から白い目で見られる。職場のコーヒーを飲むと翌日黒人用のコーヒーポットが置かれていた。トイレは黒人用のある800メートル先まで走らなければならない。
一人は初の女性エンジニアとなることを希望するがその資格を得るためには白人専用学校へ通わなければならない。そのための裁判を起こす。
一人はこれから来るコンピュータ時代に向けて勉強をするため白人専用図書館へ行く。黒人図書館には専門書がないのだ。だがしかし、彼女は追い出されてしまう。

黒人であること、女性であること、二重の差別の中で彼女たちは闘い生き続けて行く。

と書くと差別がテーマの思い映画みたいですが、終始テンポよくユーモラスでおしゃれ、恋愛要素も入れながら小気味よく話が進んでいきます。
彼女たちはとにかく明るく前向き。冷静に苦難を乗り越える方法を考え、自分の夢を実現することから逃げようとしません。そこが感動的です。

コンピュータが導入される以前、ロケットの軌跡や再突入の角度など複雑な計算を人間が手で行っていたことにびっくりしました!
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