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ドリームのhirogonのレビュー・感想・評価

ドリーム(2016年製作の映画)
4.2
この映画を見終わっての感想は「この話、よくぞ映画化してくれました。有り難う!」という気持ちです。
ソ連とアメリカの宇宙開発競争初期の頃のお話。
NASAで働く3人の黒人女性が取り上げられて、人種差別を克服していく様が描かれるのですから、共感せずにはいられません。
当時、コンピューターもまだ登場して間もなく、宇宙船の軌道計算などを人海戦術で行っており、計算専門の女性チームがいたことも知識としては知っていたのですが、裏にこんな感動の逸話があったとは!

彼女達はその能力で差別を一歩ずつ克服していき、差別撤廃への先駆けとなっていったのですね。何かを初めて成す人は、批判や非協力的態度を越えて前例とならないといけない。それには大きな労力が伴う。
メアリーの裁判官に対するスピーチが、まさにそのことを訴えていて素晴らしかった!
ドロシー(オクタヴィア・スペンサー)、キャサリン(タラジ・P・ヘンソン)、メアリー(ジャネール・モネイ)の3人の話がそれぞれに魅力的で、エンドロールでは3人の実際の写真とNASAへの貢献等が紹介され、「この話が埋もれることなく、映画化されて本当に良かった!」と思いながら見終えることができました。

ハリソン所長(ケビン・コスナー)も、時に彼女達の声を聞き入れて、いざという時に頼りになる上司役が似合っていました。こんな上司が増えるといいですね。
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