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ドリームのoldmanSEヨKのレビュー・感想・評価

ドリーム(2016年製作の映画)
4.0
【ネタバレなし】
地方シネコンの宿命&配慮で、遅まきながらようやく鑑賞!
面白かった!キャサリン、ドロシー、メアリーの三者三様の闘い方に全く飽きることなく感動させられました。

ポイントでかかる曲、自分の中ではそれまで持っていた単体での各曲のイメージが、まるで映画の中のピース(時代)にはまっていく感じで、ちょっとした快感があり相乗的な効果で、演出の上手さを感じました。

彼女たちの行動から始まるNASAの意識改革。
公民権運動真っ只中の時代においては、"あんな感じ"でも当時の政府機関の中での彼女たちの待遇は最先端だったのでしょうか…。
それ故の原題”Hidden Figures"=”隠された人達”
…逆説的に想像すると、もし当時隠さなかったら、まぁ…面倒くさいことになってたんでしょうか。
さすがに最近までと聞くと「隠しすぎだろ!」って感じですが。

宇宙へ飛び出そうとしているのに、なんて馬鹿馬鹿しいことにこだわっていたのか?だからソ連に先を越されたんだよ!って、今だから言えますけれど、もしかしたら現在自分たちが普通だと思って持っている感覚が、ひょっとしたら現在の自らの苦しみの原因のひとつになってたりするのかな?…とか、反省させられます。

タラジ・P・ヘンソン、自分の中ではドラマ『パーソン・オブ・インタレスト』でのおなじみの頼れる仲間カーター刑事ですが、いい意味で中身は同じ(笑)

『ムーンライト』で夫婦だったマハーシャラ・アリとジャネール・モネイが赤の他人としてシレっといるのも、なんだか可笑しかった。

そんな感じで観ている間は本当に楽しめたんですが、終わって冷静になると史実であることを思い出し、それにしてはあまりにもドラマチックで出来過ぎててまるで伝記物語のような教科書に載っているいるような…、いや本当なのかもしれないけれど…などとちょっと疑心暗鬼に陥ってしまい、なんだか文法的には『下町ロケット』とか『陸王』的な(こっちはフィクションですが)ものと近いドラマツルギー的な枠組みに入れ込んだのかなぁ〜と…いう疑念は引っかかってしまってはいます…。
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