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ドリームのKEYのレビュー・感想・評価

ドリーム(2016年製作の映画)
4.1
今作は、YouTubeでも公開されていた主人公3人が警察にNASAまで先導してもらうシーンから始まる。

今作はユーモアに溢れた作風で、人種差別問題を扱う映画としては非常に観やすい映画となっている。
しかし彼女達が差別するべき対象として扱われていたこと、そしてそれらに才能と努力を手に立ち向かっていた彼女達の姿も事実として今作で描かれている。

中でも印象的な役だったのが、黒人だけが働く別棟の管理職(役:キルスティン・ダンスト)だ。
彼女は自分が差別していることを自覚していない。
またNASA自体も黒人を雇い、平等化しようと試みているが、黒人の彼女達が次に告げられる言葉は「働けるだけ感謝して」なのだ。

また、彼女達以外の黒人女性が、更に理不尽な扱いを受けていた事は言うまでも無い。

主人公の1人、オクタヴィア・スペンサー演じるドロシー・ヴォーンが、子供達にこう話すシーンがある。
「周りに人生を決めさせたらダメ。私達にも同等の権利がある」
今作にも出演しているマハーシャラ・アリが、『ムーンライト』で同じような台詞を言っていたことを思い出した。

ファレル・ウィリアムズの音楽や60'sファッションで彩られる中、現実と地続きのリアリティが見られる。社会派のメッセージを上手くエンタメ化出来ている映画だった。
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