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ドリームのnamのレビュー・感想・評価

ドリーム(2016年製作の映画)
3.8
「逆境を克服するカタルシスの詰まったサクセスストーリー」

昨年の話題作でしたがようやく鑑賞。
アメリカが月面着陸する前のマーキュリー計画の時にNASAで人知れず活躍していた実在する黒人女性たちを描いています。本作の舞台の1961年は白人と黒人でトイレやコヒーポッドまで分けられていたりと人種差別が激しく、さらには男女差別もあり女性が働くには立場が弱い状況もありました。

本作は差別を描いておりますが決して暗い内容ではなく、半沢直樹のように立場の弱いものが強者に立ち向かうカタルシスや痛快さのあるサクセスストーリーです。今作は天才数学者のキャサリン、エンジニアのドロシーとメアリーの3人の主人公のそれぞれの視点で「人種差別」「男女差別」といった逆境を乗り越える場面が描かれます。

冒頭こそは立場の弱さに同情したくもなりますが、その逆境に向かう姿は観ていて痛快で喜ばしくもあります。

それに闘うのは黒人の彼女たちだけではなく、白人の上司役のハリソン(ケビン・コスナー)も優秀な人間が差別によって思うように働けない現状を共に壊してくれます。その象徴とも言えるのが「白人専用トイレの標識」ハンマーで彼が叩き壊すシーンでとても気持ちがいいシーンでした。

差別をテーマとしてますが作風は明るく、逆境を克服する痛快さのあるサクセスストーリーでもあるので後味もよいので前向きになりたい方などにオススメです。
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