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ドリームのkoyaのレビュー・感想・評価

ドリーム(2016年製作の映画)
4.5
公開時、見逃していて観たかった映画です。
SFというより、宇宙開発や宇宙飛行士ものが好きです。
『ライト・スタッフ』も好きな映画でした。
私が本当に子供の頃、宇宙開発は実際のニュースとしてものすごくにぎわっていました。

後に、その背景には米ソ間の争いがあって、どちらが先に・・・という競争だった訳ですね。この映画はさらに1960年代初頭のアメリカNASAを舞台にまだ根強かった人種差別、女性というハードルを実力で越えていく3人の実在した黒人女性たちを描きます。

原題は Hidden Figures。
NASAのあるバージニア州は、人種分離主義を取っていて、白人と黒人は何をとっても別エリアです。

3人はそれぞれの分野(数学や分析、宇宙技術者など)で天才なのですが、人種と性別がとにかく邪魔をする。
NASAの内部も白人棟と黒人棟があって、数学の天才、キャサリンが白人棟に引き抜かれても、黒人女性用のトイレがないから、その都度走っていかなければならない。

もう、人種分離は空気のように当たり前の事で、黒人である3人も半分はあきらめています。
しかし、半分は宇宙開発に賭けると、あきらめていないのですね。
この半分に賭ける、というのがスリリングでした。

上司のケヴィン・コスナーは、厳しくてついていける部下がいない、という位なのですが、人種関係なく実力主義。
今だと当たり前かもしれませんが、ケヴィン・コスナーのような人は「変
人」でしょう。

それを現しているのが、女性上司のキルティン・ダンスト。
「偏見なんてないわよ」と言いつつ、もう、偏見だらけ。黒人たちを見る時のあの汚いものを見るような目つき、すごいですね。
口では言わないけど、眼が物語っている。

宇宙開発は夢ではなく、いずれ科学が軍事に利用されるのだ、というケヴィン・コスナーの言葉が重いし、確かにアメリカがなんとしてもソ連に勝たなければという使命に燃えてはいるのですが、どこか冷静です。

コンピューターの出現で、それまでの手計算は必要なくなる、ならばコンピューターのプログラミングを習得してしまおう、という頭の回転の速さがいいですね。

3人の女性たちが体型は様々でも、足は細く、きれいだったり、主人公キャサリンを演じたタラジ・ヘンソンが睫毛がものすごく長くて、ナイス・バディなんですよね。
そして、黒人たちは貧しい、給料に差があるとはいえ着ている洋服がとてもおしゃれです。似合ってますよね。

個人的にはいつも車の車庫入れ(特に狭くて砂利道の自宅)に苦労している私は、NASAの広い駐車場に大きな車がばんばん止められているのに、いいなぁ、と思いました。
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