アキラナウェイ

ドリームのアキラナウェイのレビュー・感想・評価

ドリーム(2016年製作の映画)
4.2
近所のGEOにないから遠くのTSUTAYAまで借りに行ったよシリーズその2

待てど暮らせどGEOにこの映画が並ばないのは何故ですか?GEO差別ですか?

この映画、元々は「ドリーム 私たちのアポロ計画」という邦題だったそうで。実際はマーキュリー計画だっての!!20世紀FOXもナメたもんだ。なんだったら、ドリームというタイトルだって、原題Hidden Figuresの方が断然いい。どうせ日本人は英語わからないし、アポロ計画って言っておけば想像出来るでしょう?と足元見られている気分。

タイトルには難癖を付けたくなるものの、映画としては良く出来ている。出来過ぎなぐらい。

1961年バージニア州ハンプトン。ソ連との宇宙開発競争に拍車がかかるNASAにおいて活躍した3人の黒人女性の活躍を描く。キャサリン(タラジ・P・ヘンソン)は優秀な計算係として。ドロシー(オクタヴィア・スペンサー)はIBMのコンピューターのプログラマーとして。メアリー(ジャネール・モネイ)は宇宙船開発のエンジニアとして。

分離主義という名の差別制度が白人と黒人とを隔てている。バスも、コーヒーポットも、トイレも、「white only」と「colored」に分けられている。

その中にあって、黒人だから、女だからと正当な評価を得る事が出来ないでいる3人。そこから、小気味好い彼女達の反撃が始まる。この3人が本当に魅力的で。チャーミングだし、面白いし。何より才能に溢れている様子が見ていて心地良い。

スペース・タスク・フォースにおける気難しい責任者ハリソンを演じたケヴィン・コスナーも良い。歳を重ねてから、より好きになった俳優。

ストーリーもテンポも演技も全く申し分ない!気分の上がるシーンも沢山ある!ただ、良く出来過ぎた映画でもある。最近は、良く出来過ぎた映画の中に他の映画と違う何かがないかと探す様になった。

劇中何度か、暗い影を映し出す特徴的なアングルに気付いた。キャストを遠巻きに映しながら、手前側は影で黒く映し出す様なアングル。ああ、彼女達こそhidden figuresなのだと画で魅せる説得力があった。

こういう作り手側の意図が少し垣間見えると、映画ってやっぱり面白い!と思える。だーかーらー、ドリームじゃねーんだよー、FOXさんよぉー!