スピードスター

ドリームのスピードスターのレビュー・感想・評価

ドリーム(2016年製作の映画)
3.9
60年代とは言え、理知的であらねばならないNASAであの人種差別。そして性差別。他はもっと酷かったのかな?

映画『デトロイト』での黒人に対する剥き出しの憎悪よりも、無自覚に当たり前に黒人を異質の者として扱う不気味さに軽くカルチャーショック。

物語が動き出すある人物のあの行動も、実力主義、合理主義に基づいたモノではなく、ソ連に追い付けない焦燥感からじゃないの?と勘繰ってしまうほど恐ろしい世界だった。ホントの所はどうなのか。ぜひ原作も読んでみたい。

人種や性に対する偏見がベースなので悲壮感漂う辛い作品になりそうだけど、ノリが良くて芯の強い3人の女性と、ファレル・ウイリアムスがプロデュースしたポップな楽曲群がカラッと陽気な雰囲気に仕上げている。

公民権運動や東西宇宙開発競争あたりの授業受けるより本作を観たほうが一生忘れない教材になると思います。
史実をエンターテイメントにまで昇華し、笑えて泣けて学べる、これぞ映画!な一本になっています。

だっせー邦題以外はホント素晴らしい!