ぬーたん

ドリームのぬーたんのレビュー・感想・評価

ドリーム(2016年製作の映画)
3.5
作品自体は面白く、黒人女性がNASAの計算手として支えたという事実に感動しつつ、ラストへ。
しかし。
☆観た方は最後のネタバレを読んでください。

計算手の3人の黒人女性。
キャサリンをタラジ・ヘンソン。
『PERSON of INTEREST犯罪予知ユニット』というドラマでカーターを演じたのが印象的だった。
最近、このドラマを真似た犯罪予知ユニットを使った日本のドラマを観て、滑稽だった。
真似しても完成度が低すぎて。
このカーターも強い女性だ。
タラジの顔の部品の大きさと力強さが、やはり強き女を演じてこそ光るという感じがする。
マーキュリー計画の大事な役割を担う天才役。
強気な反面、部署内でかなり差別を受けるがじっと耐えるところもある。
ドロシーをオクタヴィア・スペンサー。
かなり太っていて、お母ちゃんというイメージ。ゴスペルを歌い出しそうな雰囲気。
最近では『シェイプ・オブ・ウォーター』で大事な役を好演。
温かい人柄という役が多い。
今作では3人が働く部署でリーダー的な仕事をし、部下想いで白人の上司にもはっきり意見する。
メアリーをジャネール・モネイ。
歌手だそうだ。
スラリとしていてスタイルが良い。
プライドが高そうに見える。
メアリーは言いたいことをズバっと言うし、行動にも移す。
白人専用の学校に入るために裁判も起こす。
キャサリンの上司でマーキュリー計画の責任者ハリソンをケヴィン・コスナー。
さすがに老けた、皺が目立つ。
そして腹回りなどもかなりポッチャリ。
まさかタオル入れてるのかな?
最近はかなりいい感じのオジサマ役が多く、今作も、意外に優しい上司である。
ドロシーの上司ミッチェルをキルスティン・ダンスト。
マリー・アントワネット!
気難しい役が上手い。
ほんと、憎たらしい。
でも綺麗です。パルトロウに似てる。
もうひとり憎たらしい、キャサリンに意地悪なポールをジム・パーソンズ。
何となく女性的な感じもした。
と思ったらゲイだそう。
そういえば『ノーマル・ハート』にも出ていた。
ヘッド・エンジニアにしてはお粗末な仕事ぶり。
と思いきや、この2人は実在ではなかった。
差別を印象付けるためのヒールね。
キャサリンの再婚相手ジムをマハーシャラ・アリ。
テレビドラマ中心の俳優と思っていたら、最近は映画で活躍!
笑顔が可愛らしく、穏やかな人柄を感じさせるお顔。
そして肉体美も。
残念ながら今回は見れなかったけど…。

3人の黒人女優がかっこよくて堂々としていて、役にピッタリ。
『ドリーム』というタイトルにふさわしく、観ていてその夢が少しづつ叶っていくのが感動的で、2時間があっという間だった。
楽しかったしほろりとさせられた。
映画としては完璧。
面白かった。



以下ネタバレです====注意!



感動したラスト、ノンフィクションお約束のご本人のお顔登場と相成るわけで、主役のキャサリンが黒人に見えないことに驚き…すぐに調査開始。
これはこれは。
史実との相違点が多い、などとサラリと言うような脚色ではございませんな。
正直、ガッカリした。
感動を返せ、と言いたいくらい。
むしろ全くフィクションにし、原案が存在する程度のものにした方が納得がいった。
本名を使い本人の写真を出すのに、これほど脚色することがかつてあったのかしら?

騙されたような気がして、鑑賞後に冷めたわ。
脚色して映画としての完成度をあげるのは別に構わないけど、脚色した部分が大事な部分で、感動を左右するシーンだったりしたのが残念。
描かれている年代も違う。
トイレにポット。
雨の中を800m走る、書類を抱えて。
実際はキャサリンは普通に白人と同じトイレを使っていた。
キャサリンは差別は感じなかったと証言してる。
意地悪もなかった。
メアリーは入学の裁判もなくすんなり。
資格も既に持っていた。
ドロシーの待遇も違った。
役職を貰っていた。
キャサリンは黒人と白人の混血で、一見すると白人に見えたほど白人に近かったようだ。
意地悪2人も居なかった。
ここまで脚色すると、これは事実を基にしたフィクションではないかな。
どうなんだろう?
ぬーたん

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